ペットボトルごみは、リサイクルで化学繊維に変身
今や当たり前の存在になったペットボトルですが、缶や瓶に比べるとその歴史は浅く、一般的に使われるようになったのは1996年以降になります。
そんなペットボトルごみは、リサイクルによって化学繊維に生まれ変わり、再び消費者の元へ返ってきているのです。
ペットボトルはプラスチックと同じ原料から作られており、その一種であるポリエステルで作られています。ポリエステルは繊維としても用いられている素材なので、原料から見てみるとペットボトルが繊維に生まれ変わるのも不思議ではないのです。
収集された使用済みペットボトルは細かく砕かれ、洗浄などの過程を経て綿や紡績糸などに生まれ変わっています。
現在のペットボトルは、製造段階から既にリサイクルすることを視野に入れて作られています。例えば色。昔はいろいろな色のペットボトルが存在しましたが、近年はほぼ全てのペットボトルが無色透明です。これは2001年に、リサイクル効率低下を防ぐため、色つきペットボトルの使用を飲料業界が自主的に廃止したからなのです。
ペットボトルは、ボトルとキャップを別々に回収に出すのが決まりですが、ここで気になってくるのがキャップ下のリングです。
このリング部分はリサイクル過程で処理されるため、消費者が取り外す必要はないとされています。工場で細かく砕かれる過程でボトル部分とリング部分が分かれて分別されているのです。
ペットボトルが化学繊維に生まれ変わることはよく知られていますが、これは「フリース素材」が有名になり広く利用されるようになったからです。
「フリース」とは羊の毛を刈る際、一頭部の毛が毛皮のように繋がっている状態のことを言い、そこから転じて折り目が見えないほど表面が起毛している布のことを「フリース素材」と言うようになりました。
現在一般的に流通しているフリース素材は大半がポリエステル化学繊維で作られており、ペットボトルのリサイクル繊維が利用されているのです。